プロローグ
"ずっと想っていてくれたのかと思った"
学生時代と変わらない いたずらな瞳が
僕を覗きこんだ
図星だった。 けれど大人になった僕は
悟られまいと 慌てて彼女の瞳の引力に逆らって
うつむいて 答えた
"オレだってそんなお人好しじゃないヨ"
そう言うのがやっとだった
・・・逢うんじゃなかった
僕はまた これから先 この人への想いの切なさに耐えて
生きていかなければならないのだ
心の高鳴りに反して 僕たちは色々なことを語り合うことができた
それは とても自然に とても 懐かしく
3年ぶりに会った彼女は前にも増して輝いていた
そう キラキラと
そして とても自然だった
昔持っていた 時として他人を寄せ付けない厳しさも 消えていた
笑う すねる 不思議がる
コロコロとよく動く表情が また僕を掴んでしまっている
罠にかかった鳥のように もうどんなにもがいても
僕はこの人から 逃れられないだろう
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